新訳でよみがえった肉声 「シャネル」

「シャネル」
■新訳でよみがえった肉声■
「彼女の生の声を伝えたい」と、フランス文学者でファッション評論家としても名高い山田登世子氏。女史から発せられた言葉は、まさにシャネルの託宣のように響いた。かくして30年ぶりの訳し下ろしが始まった。
本作品は作家P・モランが書き留めた唯一の回想録。
今回は忠実な全訳により既訳の省略や誤認を正し、知られざる部分が明らかとなった。また綿密な注釈を施し、レザネ・フォル(狂乱の時代)といわれた1920年代のパリの活気を背景に、華麗な恋愛遍歴や芸術家たちとの交遊録を鮮明に映し出した。
もっとも真骨頂はシャネルの純真無垢(むく)な肉声がよみがえったこと。時に可憐(かれん)、時に残酷な言葉の数々が清新な山田訳により紡がれた。19世紀の遺物を抹殺したシャネルはモランをして「皆殺しの天使」と言わしめたが、事ほどさように辛辣(しんらつ)な名言を残している。
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